「星の王子さま」に学ぶ、ピアノと友達になる法
ピアノの練習、幼いうちは、イスに座っているのもなかなかままならないことがあります。
成長してからだって、そうです。弾いている途中で、何か用事で席を立ってしまうと、又、集中するのに時間がかかる事がしばしば。
私は、縁あってレッスンで巡り逢った生徒さんには、「子供時代にピアノをやっていた事が、大人になってからも、何らかの意義の有るものになって欲しい」と思っています。
門を叩いて下さるお母様方からの願いにも、その様なお気持ちが込められている事も、お見受けしております。
音楽は、人の心を励まし、慰め、力づけ、鼓舞し、…言語では表現し難い領域の表現力には、心を解放させられます。
何でも、習得する時はそうだと思いますが、物事はそう簡単ではなく、自分の方から少し歩みよらなければ、あちらも応えてはくれないのは、音楽の場合も然り。
「大切なものは、目に見えない」の名言で知られる、フランスの作家で飛行機の操縦士でもあった、サン=テグジュペリの「星の王子さま」にこんなエピソードがあります。
多少うろ覚えですが、キツネさんが、王子さまに、「僕と友達になりたかったら、毎日、同じ時間に会いに来てね。すると、僕は、だんだん待ち遠しくなるから」という箇所。
キツネさんと王子様が友達になる時の流儀が、ピアノと友達になる時に当てはまるかどうか、わかりませんが、「同じ時間」は兎も角、ピアノはいつもそこにいて待っている、心を開いて奏でれば、必ず応えてくれる…神秘的ですらあります。
幼い生徒さんは、私から「こうだよ」「ああだよ」「もう一回」といわれるのをあまり好まない事もありますが、そこで、「主導権争い」の様な感情を持ってしまうとしたら、ざんねんなことです。
近年、男の子でピアノを弾くお子さんが大変増えておりますが、これは効果的かなと私が思いますのは、「大人の男のピアニストの演奏(会)を聴くこと」があります。
同性であるお父さん位の年代、或いはそれ以上の年代の方、それこそ大の大人が、人生賭けてピアノを真剣に弾く姿を目にした時、登っている山の頂きの真価に気づく(感じる)…かもしれません。
なかなか私も、日々のレッスンだけでは、役不足になることもあると思いますが、生徒さんとご父兄様との三人三脚で、「音楽が生徒さんの一生の友達に」なってくれるのを心から願っています
回りくどくなってしまいましたが、実際は、年齢以上の事は求めていないので、ご安心下さいね。
でも、イスに座っていれる事、「聴くこと」が出来る事は、大事です。
No comments yet.