エディションあれこれ
先日、大人の生徒さん(趣味の上級者の方)に、楽譜の版についてご質問がありましたので、ちょっと触れてみます。
(生徒さんに、そんなに楽譜には拘らない事を前提に、輸入版についてご参考までにお答えします)
その方の場合は、ショパンとドビュッシーについてでしたが、他に、バッハ、モーツアルト、ベートーヴェンの場合も書きます。
後の3人の作曲家(主にドイツ系)については、私は、ヘンレ版をお勧めします。(ウイーン原典版は、指使いが、私は弾きにくく感じます。)
ショパンについては、以前は、パデレフスキ版(ポーランドの初代首相でピアニスト!)が良かったと思いますが、ポーランド国家評議会が、ショパン生誕150年の頃、記念国家事業として編集を託したエキエル版も良い様です。
コルトー版という、ピアニストのコルトーが、詩的に解説している版も、ロマン派の作曲家の曲の場合は、個人的には好きですが、曲が(解釈の文が混ざっていて)中断されるような感じになってしまうので、やっぱり、パデレフスキ版が使いやすいのではないでしょうか。
ドビュッシーは、デュラン版というのもありますが、輸入版でなくとも、安川加壽子先生の校訂の音楽の友社から出ている白い表紙ものが、わかりやすくて好きです。他に、中井正子さんの校訂のものも良さそうです。
ベートーヴェンは、シュナーベル版でテンポを見たり、他の作曲家でも、比較しようとすればキリが無いですが、あえて、原典版(ヘンレ版)で充分でなのではないでしょうか。
輸入版は、少し値が張りますので、国内の出版社のものでもいいのですが、バッハなどは、指使いが弾きづらいものもありますね。
楽譜にもお国柄があって、それを感じるのも面白いですね。(ヘンレ版の紙質は素晴らしいですし、印刷も綺麗。フランスのアメル社やルモワンヌ社のは、表紙の柄や色が素敵です。)
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