最低限、身につけさせたいこと

以前通って来ていた生徒さんから、大学院の論文のための参考意見を求められ、何度か長いメールのやりとりをしました

大きな内容はここでは触れませんが、一つこれは書いておきたいと思うことがあります。

その学生さんの調査の中で、「これまでピアノを習って来た人が、やめた後で、自分の好きな曲を弾きたいという時に、実際自分で出来るだけの基礎力が付いていない」とのことが判って、改善策を探りたいということでした。

指導者と本人、両方にその原因をみたいと思います。

「読譜力がついていない、弾く時に楽譜を見ないで手ばかり見ている、指番号を守れない、調性感覚がない」などの基礎力の欠如に関して。

習い始めて何年か経ってから、これを直そうとするのは、プリーツ加工されているスカートをまっすぐにする位、手間のかかることです。直らない場合だってあります

しかし、幼い頃から、指導者が口をすっぱくして、おかしな癖が付かないように、気をつけていれば、大抵は、ある程度は自然に身につくのですよね。

箸の持ち方や食べ方、姿勢などを、子供の頃に親が注意してあげれば、自然に身に付いて行くのと同じようなものです。

そして、出来るだけきれいな音で、自然な音楽性を持てるように。

「自然」を強調しているのは、「身に付いていない」と、ぎこちなく不自然になってしまうからです。

例え進度がゆっくりでも、そういったことがきちんと習慣のように出来ていれば、やめた後でも、自分である程度までは出来るようになるのではないかと思う例が最近ありました。

私の所で、7年間習っていた男の子が、3年近くのブランクを経て、高校になって、独学でピアノに熱中して、また通うようになりました。意外でした!

久しぶりに再開したピアノ、通る音が出るようになるには何度かかかりましたが、読譜の力や勘があったからこそ、自分で選んだ曲をいくつか持って来ることができたのだと嬉しくなりました。
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最初に戻りますが、
ピアノは、巷で考えられているより、ずっと難しいのです

専門でやっていても容易ではないのに、趣味で、簡単に弾けてしまうということは無いです。

しかし、最終的には、どれだけ身につけることが出来るかは、指導者だけでなく、本人の「関心」と熱意、「忍耐」と努力にもかかっているのは、他の何事とも同じですね

プライオリティーといいますか、どれだけその物事に優先的に時間を割く意志を持つかは、人それぞれなのですから、「過去に習っていた時期がある」ことで、好きな曲が自力で弾けなくとも、原因は、本人の中にも見つけることは出来ます

指導者の方でも、根本的なことに関しては、気を遣わず言える勇気と誠意、生徒さんの方でも、面倒がらずに地道なことをおろそかにしない努力のどちらも大切と言えるでしょう。

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ピアノ教育 — 10:21 AM  Comments (2)