ショパンのお勧め本「フレデリック・ショパン全仕事」小坂裕子著

つい先日、楽譜の上にこんな風に積み上げていた本を見て、生徒さんが言いました。
「わ〜、なあにこの本!『フレデリックショパン全仕事』?!」

「これさっき届いたばかりなの!中もね、綺麗な写真がいっぱいで読みやすいんだよ〜。」
と、ぱらぱら見せた所、「ほんとだぁーheart01.gif」と目を輝かせていました。

実は、この本、今年のラ・フォル・ ジュルネでショパンの講演や、そのBS番組で解説をなさっていた、ショパンの研究家、小坂裕子さんの新刊書です。

TVでショパンについて語っておられた内容と語り口に魅せられて、この方にすごく興味を持ってしまい、発売されたばかりのこの本に辿り着いたのですが、これがまたもの凄く良いのです!

「全仕事」ですから、譜例も解説もそれぞれにつけられていますが、単にそのことに留まらず、小坂さんが、ショパンについて本当に強い動機で調べられ、咀嚼されて、共感を持って、ご自分の言葉で語り尽くされている所が、素晴らしいと思いました。

ご研究対象であるショパンへの愛情がもの凄く伝わって来ます。

ご自分の足で訊ねて廻られたような、数々のオリジナル写真も書籍に彩りを添え、一層、読者をショパンの世界へと誘って下さいます。

まさに、作曲家についてのこのような伝記を待っていた、という珠玉の一冊です。


「ショパン 知られざる歌曲」も同じ著者のものですが、歌曲についてだけ書かれている訳ではなく、これまでの伝記の中で、私が細部で疑問に抱いてきた謎の数々が、すっきり解決される書物です。

Filed under: 書評,音楽史 — 9:53 PM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

No comments yet.

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA