2010年5月13日
ショパンのお勧め本「フレデリック・ショパン全仕事」小坂裕子著
つい先日、楽譜の上にこんな風に積み上げていた本を見て、生徒さんが言いました。
「わ〜、なあにこの本!『フレデリックショパン全仕事』?!」
「これさっき届いたばかりなの!中もね、綺麗な写真がいっぱいで読みやすいんだよ〜。」
と、ぱらぱら見せた所、「ほんとだぁー」と目を輝かせていました。
実は、この本、今年のラ・フォル・ ジュルネでショパンの講演や、そのBS番組で解説をなさっていた、ショパンの研究家、小坂裕子さんの新刊書です。
TVでショパンについて語っておられた内容と語り口に魅せられて、この方にすごく興味を持ってしまい、発売されたばかりのこの本に辿り着いたのですが、これがまたもの凄く良いのです!
「全仕事」ですから、譜例も解説もそれぞれにつけられていますが、単にそのことに留まらず、小坂さんが、ショパンについて本当に強い動機で調べられ、咀嚼されて、共感を持って、ご自分の言葉で語り尽くされている所が、素晴らしいと思いました。
ご研究対象であるショパンへの愛情がもの凄く伝わって来ます。
ご自分の足で訊ねて廻られたような、数々のオリジナル写真も書籍に彩りを添え、一層、読者をショパンの世界へと誘って下さいます。
まさに、作曲家についてのこのような伝記を待っていた、という珠玉の一冊です。
「ショパン 知られざる歌曲」も同じ著者のものですが、歌曲についてだけ書かれている訳ではなく、これまでの伝記の中で、私が細部で疑問に抱いてきた謎の数々が、すっきり解決される書物です。
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