ドラマティック・べートーヴェンという本

「ドラマティック・べートーヴェン〜自己プロデュースの達人〜」石井清司著 (yamaha music media corporation)、という新刊書について、面白いのでご紹介をします。

090924_121304まず著者が、早稲田の政経を出られた後、放送構成作家から、フリー・ジャーナリスト、ルポライターなどとしてご活躍との事で、普通の伝記とは、語り口が全く異なる点が、目を惹きます。

べートーヴェンの生まれた街・ボンを、「ベンチャーの街」と銘打ってしまうのにも「おおっeye.gif」となりましたが、言葉の選び方や物事のとらえ方が、音楽学者の書いたものとは違っていて、現代において古典を捉えるには、こういうのは良いのではないか…と思いました。

歴史上の人物は、得てして、子供向け伝記などでは、本当に清い「偉人」としての面ばかりクローズアップされがちです。

野口英世氏などでは、そうした偉人性を打破させようとして、「遠き落日」を渡辺淳一氏が書いていますよね。

このべートーヴェンの伝記は、ジャーナリストならではの社会学的な強みが発揮され、文章表現の現代性・新鮮さがありました。他にも同シリーズで、ショパンとモーツアルトのが出版されているようです。

Filed under: 書評,音楽史 — 12:00 AM
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