中井正子さんのフォーレとドビュッシーの連弾曲のセミナー
29日に船橋の伊藤楽器で行なわれた、ピアニストの中井正子先生の講座のレポートです。
取り上げられた曲は、フォーレの組曲「ドリー」と、ドビュッシー「小組曲」。いずれも連弾曲です。
連弾曲というのは、当時、お家でアマチュアが楽しむものとして書かれたとの事です。教育的要素も沢山あって、2人だと、「音を聴く」という事が良く分り「合わす」、「バランスを取る」の良い経験になるので、なるべく早い内に触れさせた方が良いと仰っていました。
「弾く」ことが難しければ、「聴く」事で、ハーモニーの移り変わりを身体に入れていく事が出来るとの効果♪
これは私、是非「ドリー」を早速レッスンで取り組ませたいと思いました。該当の生徒さんの顔まで思い浮かべて!
まず曲が綺麗ですし、3番目の「ドリーの庭」には、フォーレのヴァイオリン・ソナタの1番のテーマが出てくるフレーズがあり、アンニュイでありながら爽やかで何とも美しいのです!あの転調の妙を味わえるのは、連弾なら少しは容易でしょう。
何故、フォーレが、ドビュッシーの2度目の妻エンマの連れ子ドリーに、誕生日の度に曲を贈ったかは、フォーレの子供だった訳で、その3角関係のお話も、いかにもこの時代のフランスものの香りに繋がり、惹き込まれました。
この講座で特筆すべきは、楽譜の選択でした。レジの方に「なぜこの楽譜ですか?」と訊ねた所、プリモとセコンドが縦に並んでいるのを中井先生が探しておられたとの事で、納得し、新たに購入しました。左右のページに分かれるのではなく、縦の線が揃っていれば、本来の音楽として捉えられる、上下のパートの入れ替えなどが見やすいとの理由です。ラヴェルの「マ・メール・ロワ」やビゼーまで入っていてこのお値段なら仰る通りお買い得!生徒さんにも、これを勧めたいです。[ピアノ連弾名曲選フランスの小品]
中井先生は、大変勤勉な勉強の仕方をなさっておられ、一曲一曲丁寧に解説下さった他、バロックが土台となって、クラシック、ロマン派、近代があり、時代が今に近くなる程、楽譜からの情報量が多い事など、大きな流れもお話し下さいました。
これは、連続セミナーの最後を飾る講座だった様で、なかなか行く事が出来なかったけれど、今回ばかりは思い切って上京を早めて良かったと思いました。
ひとつ残念だったのは、中井先生ご本人の演奏を聴けなかったこと。15〜6歳のお弟子さん達の演奏で中井先生の丁寧な解説でした。パリから帰って来られたばかりでお疲れの中、終始笑顔で素敵な先生でした!歌われて、「こういう風に持っていくのよ!」とニュアンスを伝えて下さいました。
その午後にお会いした音楽ライターの山本美芽先生にお話ししたら、「中井先生にメールしておきます!(演奏を聴きたがっている人がいた件)笑」って仰っていました!美芽先生が構成なさった中井先生のご本「パリの香り、夢見るピアノ」を再読して、気持ちを高めてセミナーに備えましたが、この本からも、ピアニストの、大変厳しい世界や、具体的にどんな勉強をなさったのかが良く分りました。
中井先生は、新たに、ドビュッシーの本を書かれているとか!楽しみですね。
ドビュッシー「小組曲」に関しては、別記事に織り込みますね。
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4つの記事は、結局、時系列になりそうです♪
[…] 「中井正子さんのフォーレとドビュッシーの連弾曲のセミナー」 http://www.perle-piano.net/wp/?p=26271 「轟先生のセミナー」 http://www.perle-piano.net/wp/?p=25427 […]