2011年11月5日
モーツアルトのアリア
大学生の生徒さんが、モーツアルトの声楽曲の伴奏をレッスンに持って来たので、つい熱唱してしまいました。
やはり、ソロのメロディーを実際に歌ってみた方が、曲を知り尽くす為にも、一緒に呼吸する為にも、良いですね。
モーツアルトのオペラは、レチタティーヴォ(しゃべる部分)と、アリアが組み合わさっているのが常です。
レッスンの曲は、オペラ「フィガロの結婚」の伯爵夫人のアリアでした。モーツアルトは、才能の方向性が、オペラに大変向いていた作曲家といえます。
レチタティーヴォの部分で、「ああだこうだ」と、疑念を持ったり、不安になったり、心のざわつきを表現したりして、アリアで、美しい時を回想して、その後、速いテンポで、ハイになって曲を閉じるという定型の(?)ものでした。このアリアは、情感を、言葉で表すよりもっと絶妙に、シンプルな得も言われぬ美しさで表現しています。
Youtube「Dove Sono(楽しい日々はどこへ)」「レチタティーヴォ「スザンナは来ない」からアリアへ」
私は、オペラ団体の伴奏に関わっていた時期があります。
音楽の中の、演劇の要素を掴むには、台詞と音楽の関連を読み取らなければなりません。
例えば、2度間の音程の揺れで心の迷いを、音程の離れた2音間の行きつ戻りつで動揺を表したりする、レチタティーヴォの部分は、歌詞も良く理解し、その場面に応じて心理描写や背景になる様に考えれば、弾く時に掴みやすいでしょう。
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