2011年7月19日
しばし読書に時を忘れる
この所読んでいたこの本、表紙に惹かれて買った訳では勿論ないけれど、表紙とは、違った話でした。
終始、秋田弁で語りかけているのは、小林多喜二さん(『蟹工船』を書いた)のお母さん…という設定です。
この「お母さん」が、また温かな人柄で、秋田の言葉と相まって、柔らかな筆致を醸し出していますが、時代的にも題材も、非常に深刻な内容で、東北から小樽へ渡ってからの苦労とか、そこで働く労働者の過酷さとか、それから・・・、時代は違えど、色々考えさせられました。
作者の三浦綾子さんと、小説の中心、小林多喜二さんの接点って、「北海道」という事かと思っていましたが、話の最後で合点が行きました。
あたまをがつんとやられる様な感覚は、衝撃的でした。没入出来るって読書って、いいですね。
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