2010年6月4日
ショパン〜マヨルカ島からノアーンの間〜

誠に、作曲家の人生と作品は切り離せないものです。
ショパンとジョルジュ・サンドの出会いは、ショパンの作品においても、健康にも大きな豊穣をもたらしたといえますが、サンドと出会った頃のショパンの曲には、たとえ短調の暗い曲にも、悲壮感は無く、前向きな力強さを感じます。
その逆で、サンドと別れてからは、どんなに美しい曲にも寂寥感が漂い、それどころか、創作は枯渇していくのです。
1839年、悪天候や、結核への村民の対応で、ショパンが散々な思いをしたマヨルカ島を出て、マルセイユを経て、ノアーンにあるサンドが祖母から相続した大きな館(*サンドの出生は複雑。)に到着した一行は、安らぎの時を過ごすこととなります。
この頃の、ショパンの作品は、サンドの慈愛と手厚い保護を受け、移ろう様な和声の中にも微妙な優しい襞がみられます。
それまでの、『祖国を想って…』というのとはまた違う、個人的な穏やかな安らぎと幸せ、自然の描写が、その頃のショパンの心象を映し出しているかのようです。
マヨルカ島への移動とて、ショパン初の地中海体験となった訳ですから、その波も光も、作風に影響を与えたといえるでしょう。
Filed under: 音楽史 — 11:08 PM




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