フォーレとドビュッシー、テンポの感覚の違い
いつ頃から、馬車から自動車に代わったのか〜馬車もこんな風に停められていたのでしょうね。
ガブリエル・フォーレ 1845〜1924
クロード・アシル・ドビュッシー 1862〜1918
フランスの、17歳違いの二人の作曲家には、どうやら、テンポの感覚に、大きな違いがあるように思います。
フランスは、産業革命が遅れてやってきた国です。
自動車は、1870年代から、少しずつ改良を重ね、それでも、量産されるまでには、年月を待たなければならなかったようです。
1883年に、モーパッサンが書いた短編小説によれば、シャンゼリゼには、交通手段として、馬車がひしめき合っていたとのことですが、1890年に、フランスにおいて初めてガソリン自動車が誕生し、4年後には、自動車レースが行われています。
フォーレとドビュッシーが、それぞれ40歳だったのは、1885年と、1902年であるので、まさに、自動車の黎明期を跨いでいます。
1889年
自動車速度が、100km/hを越えたのは、1899年というのですから、やはり、17年の違いといえど、ドビュッシーの身体にある速さの感覚は、フォーレとは異にするのではないかなと、勝手に推察しています。
1919年
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ある場所に行くと、0時に車が迎えに来て、その車のあった時代にタイムスリップする、不思議で素敵なフランス映画(ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」を観ました。
プジョーの旧式の車で、1920年代に行ってコクトーやピカソに逢ったかと思うと、馬車でロングドレスの人が迎えに来て、19世紀末の「ベル・エポック」の時代のマキシムで、ゴーギャンに逢う。
その映画で、当時の乗り物を見ていて、これまで、何かこう釈然としなかった、フォーレとドビュッシーの違いにまで発展し、拙いですが、テンポの感覚を考察してみました。
しかし、二人の作曲家が、紛れも無いベル・エポック(意:古き良き時代。19世紀末から1914年の第一次世界大戦勃発まで)の芸術家だというのは、作品から香りが立ちこめるかのようです。ただ、一緒くたには出来ない何かがあります。
モナコグランプリの最初の開催は1929年。
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