変奏曲について

変奏曲(バリエーション)は、テーマと、いくつかの変奏で成り立っている一つの楽曲の形式です。

変奏は、拍子やリズム、調性、テンポ、ハーモニー、雰囲気などを変化させ、装飾が施されたりもします。
テーマと同じ小節数で書かれることも多いです。

この形式で書かれたピアノ曲には、
バッハ:「ゴルトベルグ変奏曲」
モーツアルト:「きらきら星変奏曲」、ソナタK331「トルコ行進曲付き」の第1楽章
ベートーヴェン:「ディアベリ変奏曲」「創作主題による32の変奏曲」「うつろな心による6つの変奏曲」
メンデルスゾーン:「厳格な変奏曲」
シューマン:「アベッグ変奏曲」
ブラームス:「ハイドンの主題による変奏曲」
ラフマニノフ:「パガニーニの主題による狂詩曲」
フォーレ:「主題と変奏」

など、まだまだ沢山あります。
バロックの時代からあり、ラモーの変奏曲も素敵です。

テーマはシンプルに、オリジナルのものだけでなく、当時の流行の旋律を用いたり(きらきら星)、他の作曲家のモティーフ(うつろな心やパガニーニなど)や、暗号めいた音の繋がり(アベッグ)を用いたりとさまざまです。

「きらきら星変奏曲」では、第1変奏で、右手が16分音符になったり、第2変奏では左の動き、第3でアルペジオ、それ以降、弾んだ感じや、短調になったり、音階、重音を用いたり、シンコペーションのリズムあり、優雅なアダージョのテンポに変えたり、華やかなフィナーレで幕を閉じたりと、聴く人を飽きさせないよう、創意工夫が凝らされています。

初期にはサロン風の音楽も多く書いたG.フォーレは、晩年の「主題と変奏」作品70で、近寄り難いほどの荘厳なテーマによる変奏曲を書きました。

木管を思わせる第一変奏。弦楽器風の変奏もあり、ときに情熱的に、そして官能的に、幾つもの変容をし、最後には、それまでの短調から、突如として長調の澄み切ったコラールが現れる場面が、宗教的で深い感動を誘います。

ピアノ曲を学習なさっている方は、一度は「変奏曲」を経験してみるのは、作曲の手法を知る意味でも、様々なテクニックを身につけるためにも、楽しく有益でしょう!

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Filed under: ピアノ曲,音楽 — 11:10 AM
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