2012年1月17日
「ピアニストの系譜」を読んで
「ピアニストの系譜 その血脈を追う」(音友 真嶋雄大著)という本を、先日、読みました。
以前、ムジカノーヴァで、山本美芽先生の書評コーナーで見つけてから、ずっと読みたくて本棚にあったのです。
索引のある本は、気合いがあると言われていますが、更に、各国別に師と弟子の系譜が、巻末に一覧表になっている所が見事です!
例えば「ドイツ」のページを見ると、ネーフェからベートーヴェンに繋がる血脈と、モーツアルトから…というのもあります。
「フランス」では、ドビュッシーの師事したマルモンテル教授が、多くの優秀なピアニストを輩出している事に、改めて驚かされました。
勿論、巻末だけでなく、内容がかなり充実していて、何度か読み返したい本です。
師から弟子に、連綿と受け継がれて来たクラシックのピアニズム。
国によって、何を重要視するかも異なります。
それだけの時をかけて受け継がれて来た、西洋音楽の、「重み」を、言葉に寄らずともズシリと感じざるを得ませんでした。
最後に、印象に残った、ハイドシェックがコルトーにレッスンを受けた時の言葉を…。
「行く方向が定まったら、足元を見るのではなく、星をみなさい。」
中国のことわざを引き合いに出し、作品の持つ本質を見極め、大所高所から作品を俯瞰しつつ進んで行く事が大事との教えだった様です。
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