ゴーギャン展に思う〜表現者の気概〜
日曜日のお話の最終回です。その日は午後過ぎまでこちらで所用があった為、東京滞在は、たったの5時間。本当はもっと短い予定でした。しかし、今回の本命のセミナーの他に、何かしらもうひとつと思い、急遽、同じ沿線上の竹橋の国立近代美術館に、ゴーギャンを観に行きました。
今回は、最後の大作「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」という大きな迫力のある絵画が来ているとのことで、気になったからです。ゴーギャンと言えば、タヒチへの移住やゴッホとの共同生活の事で有名ですが、私は、この前述の絵画の他に、彼の「朱色」の表現に強く惹かれました。アルルにあるアリスカンという名の墓地の石の色の下に、溢れかえるばかりの紅葉の落ち葉が…。美しかったな。ずっと観ていたい絵でした。「アリスカンの並木道 アルル」という絵です。そしてどの作品の額縁も、フランスとタヒチの原始的な雰囲気の融合みたいなものが選ばれていて、すごく合っていました。
株の仕事で成功していたのに、34歳で絵を本格的に志すというのも、やっぱり本人には何か啓示のようなものがあったのでしょう。
ゴーギャンの描くタヒチの女性の足は、しっかりと大地を踏みしめる様に、大きく力強くて、強烈でした。
幼い頃、父親の仕事でペルーに行ったりもしていたそうなので、そういった体験からも、ずっとその後も、ペルーのミイラのポーズにこだわったり、幼い頃の体験って染み付くものなのですね。
で、問題の大作は、絶望して死を意識した直後、精神的な遺言として、絵画に渾身の思いを込めて彼の世界観を表現したものでした。圧倒されました。
私は、絵画も美術も観るのは好きですが、なんといっても、そこから、その画家が命がけで表現しているパワーを感じる事、その強烈なものを味わいたくなると、展覧会に出かけます。
ゴーギャン展は9/23までだそうです。
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