クロノスとカイロス

プロヴァンスのラヴェンダー畑<p><p><p>

季節柄、さえないお天気cloud.gifsnail.gifが続いていて、気持ちがぱっとしませんdespair.gif。外部教室に行く時の車の中で、CDの曲(鴨の時に書いたThe summer knows)を、ジェシー・ノーマンと共に熱唱icon_surprised.gifnote.gifしている内に、かなりすっきりしましたwink.gif。ストレス解消のつもりだったのが、何度か繰り返して歌う内に上達さえしていたことに気付き、練習の大切さを、そういったことからも再確認しましたsweat01.gif

所で私は、10年位前に上智大学哲学科の科目等履修生だった事がありますbook.gifそこでは「」という倫理学の講義が必修であり、アルフォンス=デーケン先生という素晴らしい先生に接する機会に恵まれました。「死生学」の研究などをなさっておられます。著書を読んだりして、是非ご本人の授業が受けたかったのです。その後に定年退官なさる最終講義のあとに書かれた、「よく生き よく笑い よき死と出会うbook.gif。読まないまま本棚にあり、昨夜手night.gifに取って没頭してしまいました。タイトルの言葉は、ギリシア語での時の概念で、クロノスは、いわば時の針watch.gifが刻む量的な時間一方のカイロスは、一回限りの独自で質的な「時」「大切な時、決定的な瞬間sign01.gifの事だそうです。人生には、折に触れて、色々なカイロス(一度だけで二度とこないチャンスや、この上なくかけがえのない時間)が訪れますね。「危機」「転機」さえも又、成長への「機会」と捉える価値観を持つ事が出来ると。どんな時でも「にもかかわらず」笑うこと(笑顔・ユーモアの意味でhappy01.gifの大切さ(アウシュビッツの中でさえユーモアと希望を持ち続けて生き延びたフランクル著の「夜と霧」に通じるものがありますね)この本、ここで紹介しきれない位、良い本でした。励ましの大切さについても書かれています。深く自分と対峙したい時などにおすすめです。

このデーケン先生の講義school.gifでは、様々な哲学者shadow.gifの思想をご自身でまとめられたテキストが配布されるmemo.gifのですが、これまた貴重なものとなっています。(といっても難しくて歯が立たないんですけどね〜…coldsweats01.gif)授業の思い出で、こんな事がありました。クラスで一度、席の列順にテキストを音読させられていた時memo.gif、私も焦って自分に当たりそうな辺りの段落を、ドキドキして確認していました。で、「能う」という字だけが読めず、『うわっ、これ何て読むの?」と思っていたら、(『どうやら一人だけ学生よりは年長だし毛色が違うぞ…聴講生か??』とでもご判断なさったのか、指されませんでした。ちょっとがっくりでしたが、助かりました。結局その漢字は、「あたう」と読むのでした。

デーケン先生は、その温かな包容力のあふれたお姿からは想像を遥かに超えるご経験を、子供の頃になさっていた様です。ドイツ人ながら、戦時下の当時、反ナチ運動を勇敢になさったご家族との経験が、その後の人生に深い影響を与えたそうです。人生は旅。永遠の旅人が、出会いや転機の際選択した生き方によって、より完成形に近づいていくのだという素晴らしい著書でしたsign01.gif

Filed under: 書評,考える人 — 9:17 PM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

1件のコメント »
  1. […] 践した後だったという「“時”の感覚」へのシンクロニシティもあり、時計では計れないカイロスを感じました。 にほんブログ村 Filed under: 旅行つれづれ,音楽 — admin 11:58 PM […]

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA