サー・アンドラーシュ・シフのリサイタル(彩の国さいたま)

こんにちは。ペルルピアノ教室主宰の池田敦子です。

シフの演奏会を聴きに行って参りました💕

同じ日、郡山では小林愛実さんのリサイタルで、生徒さんたちの多くは、そちらに行かれていました☺️

2020年、コロナ渦になった冬に、シフのチケットを買っていてキャンセルした以来です。

待ちに待った演奏‼️

この日はベーゼンドルファー

「演奏曲目は、当日シフが舞台でご紹介します」とのこと、

他の日は、別の曲のようですが、これから行かれる方はお読みにならない方が良いかも❓です☺️

彩の国さいたま芸術劇場は12年ぶり

ベーゼンドルファーに合わせた(または逆)プログラムは、

シフの日本語で1曲1曲丁寧に告げられました✨

バッハ:ゴールドベルク変奏曲のアリアに始まり、

ハイドン:ソナタ52番変ホ長調

モーツァルト:ソナタKv.533

ベートーヴェン:ソナタ17番「テンペスト」

休憩挟み

シューベルト:「幻想ソナタ」ト長調

アンコールでは、はじめてシフの弾くショパンも聴けました

ハイドンのあの伴奏形の柔らかさはなんだろう✨モーツァルトのさりげなさったら🥰と思っていたら、ほとばしるようなベートーヴェンで、いかにその頃の時代から感情が解き放たれていったのだと、まるで音楽史をみるように音楽に聴き入りました。

ここまで来たら、次はシューベルトでしょうと思っていたら、どかんと来ました。大好きな「幻想ソナタ」。ベートーヴェンを聴いている時、私は24年前のことを思い出していました。

「音楽、哲学を超えて、芸術、生き方そのものでした。」という大学の恩師のお言葉。シフにも指導されたヴァシャへーリ先生の演奏会を聴きに行った感想を交わしたお葉書の一節を。

その時のお言葉と合致する演奏と、所縁のあるシューベルトの「幻想」。

地獄をみたような、絶望の極みの和音が鳴る中間部と、天国的な主題。

涙なしには聴けませんでした。このような音楽を味わうことができて何て幸せなんだろうと、これまでのことを振り返りました。

奥様との共演CD

とかく古典派は、自由度のある解き放たれた演奏で、それができるのは、すべてを熟知しておられるからだと、巨匠の到達した域の尊さに、ただただ感激するばかりです。

ソナタの各楽章間での絶妙でさりげない入り方にも、自然さを感じ、練りに練った先にある力の抜け方をみました。ひとりよがりな所のまるでない、円熟したご人格にじみ出るたたずまい。

全身から感動に包まれ、この日はレッスンに向かいました。