教室名の由来[恩師の生き生きしたお姿が生徒の心に残る]

教室のみなさんに、「ペルル」と親しみを込めて呼んで頂いている教室名。
実はこんなストーリーがあります。

大学3年の前期のこと。私の大学の恩師が、日本私学振興財団の助成による海外研修で、半年ほどフランスに渡り、ペルルミュテールの教えをうけられました。

私は、その間、『先生はいま頃フランスでどんな生活をされていらっしゃるか、どんなレッスンを受けているのだろう、ご苦労もおありだろう・・・、何を召し上がっているのかな』など想像し、いつも胸をふくらませて考えていました。

ペルルミュテールはラヴェルの高弟で、全曲を作曲者から教えを受けたピアニストです。

その後、20年も経ってから、先生は、
ペルルミュテールの練習のご様子を、ずっと見せて頂いたことがあるとお話しくださいました。

立ち上がることもなく何時間もご覧になられているなかで、とても大事なことを掴まれたに違いないでしょう。

むしろ、音楽は教えられるものではないと、練習の背中から感じ取られたのではないかと思います。

そうしたエピソードをうかがったのは、すでに、教室名に3文字いただいてしまった何年もあとです。

学生時代の多感なときに、いつも生き生きと、恩師が、レッスンで話してくださるご自身が受けられたレッスンのご様子は、生徒である私の刺激となって、心の奥にしっかり刻み込まれたのです。

先生は、ヴァシャヘーリ先生と仰る別の外国人の先生のもとでも学ばれ、いつも私達生徒に、貴重な学びを真剣にお話くださっておりました。

あの輝いた、恩師の充実された横顔。その思い出こそが、いまでも私のピアノ人生を支えてくださる原動力です。