福島の心〜滝桜・花見山

推定樹齢千年以上の、三春の滝桜です。
エドヒガン系の紅しだれ桜。
長い歴史を見守り、長い冬に耐え、ぽつんと一本生えた老木が咲かせる滝のような見事な花を観てきました。

老いて尚、壮麗な桜の表現するものには、静かな迫力がありました。

福島市の花見山は、「福島に桃源郷あり」と謳われました。

梅、数種類の桜(小さくて青みがかった薄ピンクの桜がとても美しい)、レンギョウ、ボケ、サンシュユ、モクレン、ハナモモなどいっせいに咲き誇っています。

見頃を少し過ぎていましたが、遠景に信夫山と福島市街地をのぞみ、

向こうの山にも春がきているのを眺め、心あらわれる春の景色。

平安神宮の紅しだれのような雅やかな艶やかさはなく、
吉野のような規模も、大和の山桜の風情とも違う、
千鳥ヶ淵の洗練されて、せいせいした幽玄な姿とも遠い。

けれども美しい、福島の、控えめで穏やかな花の心を観たような気がしました。

 

小高い山を登るにつれ、様々が花のロケーションが観られ、昔話に出てくるお伽の世界のようで、飽きることのない楽しみがありました。「モネの庭」のような感じでしょうか。

福島人は、えてして「前に出る」のが得意な性質ではないように思います。

そこを、少し克服して、生徒さんたちが、自分らしく輝けるようなお手伝いを、レッスンでしたいな・・・などど考えながら歩いた、今年のお花見です。