カフェの文化史

PICT03961[写真はアルル、ゴッホの「夜のカフェテラス」の舞台となったカフェ]

「サロン」が貴婦人によって催されたとするならば、ヨーロッパにおいて、殿方の憩いと社交、情報収集の格好の場は「カフェ」でした。
一杯のコーヒーだけで誰でも入ることの出来、何時間でもいることが出来るより民主的な公共施設です

1647年にヴェネチアで、ヨーロッパ最初のカフェが誕生して以来、オックスフォード、ロンドン、マルセイユ、ウイーン、フランクフルトと続き、独自のカフェ文化が発展していきました。

ウイーンでは、1683年(バッハの誕生年は1685年と近い!)に、トルコ兵によってコーヒーが持ち込まれました。
角の立地
にこだわり、量・濃さ・ミルクのまぜ具合によって細かく分類された豊富なメニュー、客としても従業員としても女性を閉め出す男性専科の伝統を持ち、
パリでは開かれたテラス席を設けたり、ブラッスリーなら年間を通じて牡蠣を置いていたりと特徴を持っています。
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モーツアルトや、ベートーヴェンもカフェにはよく通ったようですし、
シューベルトの生きたビーダーマイヤー時代には、食器だけでなく衣装掛けの金具に至るまですべて銀製品であつらえたカフェに、文人が集いました。
まさに、コーヒーよりも、集う客の面々が魅力ある商品といった具合でした
ウィーンのカフェでは、曲木細工の「トーネット」の椅子が定番として使用されていました。
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人々はその、人の眼と自由なきままさが上手く共存しているカフェという空間で、豊富に揃えられている各国の新聞を読んだり、チェスに耽ったり、ビリヤードをしたりしました。
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やはりサロンと同様、「文豪カフェ」「政治カフェ」「音楽家のお気に入りのカフェ」があり、現代のようなせわしなさの無い時代の気分を想像しているだけで、豊かな気持ちに満たされます

私もこれから、おうちカフェ(!?)でひと休み♪
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Filed under: グルメ,音楽史 — 6:06 PM
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