子ども時代のピアノの先生(前編)

自分が子どもだった頃の、「ピアノのレッスン」といって思い出すのは、小学2、3年の時の先生です
その頃、父が東京勤務になり、埼玉に住んでいました。

その前の水戸で、幼稚園の時に楽器店の音楽教室でピアノを習い始めた私は、次の埼玉で、初めてピアノの個人の先生のお宅に通うようになりました

引越したばかりで近所のお友達に聞いたその先生は、芸大の声楽科を出られた素敵な先生で、まるでモーツアルトのオペラに出てくる伯爵夫人のような優雅な雰囲気を持つ方でした

いつもにこやかな微笑みをたたえて、玄関まで出迎えて下さり、帰りには、毎週違った駄菓子を持たせて頂くのが、楽しみでした
(どうやら、教室生のために箱買いされていたようでした。)
初歩の曲につけて下さる、先生の伴奏パートからは、いつも豊かな和声を味わうことが出来ました
ソルフェージュの歌声が、とても美しかったです。

たまに、綺麗なワンピースを着た声楽のお姉さんもレッスンに来られて、譜面台をおいて、「アアアアア〜」と発声をなさったり、発表会では、先生のご友人のテノール歌手が、トスカの「星は光ぬ」を歌われたり、間近で、音楽の華やかな世界を見た気がしました

私は、その発表会のために、白いシルクの襟のついた藤色のワンピースを用意してもらっていたのですが、「ロングドレスを着るのかな」と先生が仰るので、急遽、当日はベルベットのロングスカートと白いレースのついたブラウスに、リボンと花のコサージュをつけて出ました

ワンピースは、懇親会で着ました。

当日の先生は貴婦人のようで、気品あふれる豪華なレースのついたブラウスに、柄の入ったベルベットのロングのスカート姿で、一曲は一緒に連弾して下さって、私たち子どもが、どんなにお召かしをしても適わないお姿に、ぽ〜っとなったのを覚えています。

講師演奏は、ピアノでなくもちろん歌でした。
柔らかなドレスにお着替えされていました。

それが、初めての発表会でした。

(つづく)

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Filed under: 子供時代の思い出からの学び — 7:34 PM
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