シューマン こどものためのアルバム

この曲集は、クララとの間に8人の子供を持ったシューマンが、子供の教育用に作ったと言われています。

かつての天才少女クララは、その後も女流ピアニストとして、シューマンとの家計を支えるため、(また、自分の希望もあり)ロシアに演奏旅行に行くなどして、夫よりも絶賛を博します。

そのため、シューマンの中には、アンビバレントな感情が芽生え、そして大変苦しんだということです。彼の精神病は、分裂気質であった母親からの遺伝も多少あるでしょうけれど、この、夫婦間の葛藤、嫉妬なども精神衛生上良くなかった様です。

こどものためのアルバムは、多声部の美しいメロディーが織りなす、音楽的には大変価値のあるものですが、なかなかこういった曲集は、レッスンの現場では、残念な事に、好まれて受けいれられる感じではありません。

ポリフォニー(多声部音楽)というのは、子供達に受け入れてもらうのに案外苦労するひとつです。しかも、バッハの簡単なものよりも、これは声部が多かったりしますし、「面倒くさい」という感覚を持ってしまうようです。

この曲集のはじめに付いている、「音楽の座右銘」には、大変素晴らしい、核心を付いたシューマン自身の言葉による助言が付いています。
例えば、、、
やさしい曲を、上手に、美しくひくようにしなさい。難しい曲をいい加減に弾くよりはずっとましです。
耳を養うことが一番大切です。早くから、調性と音を知るように心掛けなさい。
などなど。

この曲集に限らず、多声部を学ぶ曲集は沢山良いものがあるのですが、面倒でも地味でも、是非、多声部の曲を煙たがらずにトライしてもらいたいですwink.gif

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Filed under: ピアノ教育,楽譜,音楽史 — 12:03 AM
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