2015年1月15日
ツヴァイク「マリー・アントワネット」に見つけた芸術論
甲府でこの冬はじめて見る雪が、あっという間に積もりそうです
お正月に、マリー・アントワネットに関する本を4冊読みました
哀しい最期へ至る道筋を調べていて、最初は、中野京子さんで、失敗に終わった国王一家の逃亡について読んだのち、中野さんの優れた新訳によるツヴァイクの「マリー・アントワネット」上下巻に行き着き、ますます惹き込まれました
フランス最大の転換期について、大分立体的に把握することが出来ただけでなく、ツヴァイクの、心理描写と熱の込もった文章に感嘆しました。
マリー・アントワネットは、いわば「スケープゴート」として、王政の終焉から、フランス革命後の新しい時代が拓ける訳ですが、…物語とはちょっと離れて、私がブログに書き出したいと思った、興味深い箇所があります
「芸術を真に鑑賞し、深く理解するため絶対必要な性格上の前提条件、つまり真剣さ、畏怖、努力、思考力が欠けていた。芸術は彼女にとって(中略)多くの娯楽のひとつであり、ほんとうに味わうための努力は全くしたことがない。」
1881年生まれの、著者ツヴァイク氏、芸術に関しても透徹した目をお持ちなのだと思わせられました。
Filed under: 本 — 2:46 PM
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