2013年6月22日
「人を魅了する演奏」
木曜日、西八王子で室内楽のレッスンがあったので、長い道中、この本を読んで行きました。
「人を魅了する演奏」紙谷一衛著 角川学芸ブックス
以前から、本棚にあったのをなぜか読み忘れていたところ、Vn.の川合左余子先生がいらした時に、「この本、いいですよね!」と仰ったので、読みました。
日本人のクラシック演奏が、本場の西欧人に比べて、つまらない演奏になりがちなわけを、分析して提言されている本書。
そもそも、日本人には、西欧人が当たり前に持っている、あるセンスを始めから持っていないのだといいます。
・「音の羅列」で満足してしまう傾向にある。
・和音の移り変わりに対する感受性が薄い。
・「日本人の生活習慣からくる、静的・内向的特質」が、音楽を表現する上で邪魔をしていること。
・石造りの家(ヨーロッパ)での響きと、木造の家(日本)での響きの圧倒的な違い。
・音楽になっていない。
など、耳の痛い本質を突きながら、日本人の演奏における弱点を解明されています。
特に、「音を並べただけで満足」というくだりは、大変考えさせられ、レッスンにも少しでも生かしたいと思いました。
音楽は、本来は、「心と心の対話」である、ハートでのコミュニケーションだという。
日本人の、「人にものを言う時、相手の目を見ない、とことん相手にわかってもらおうとしない、以心伝心を当てにする、相手の気持を害さないようにする。」などの気質が、音楽にもマイナスに反映されるというのだから、生活様式のさまざまで気をつけなくてはならないですね。
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