ワインと音楽 (2)

HPのコラムを更新しました♪「ワインと作曲家編」です

良い週末をお過ごしくださいませ

ワインと音楽(2)

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モーツァルトは安らぎ

若いころ、作曲家が円熟の極みに達した、「後期」の作品に惹かれていました。

でも今は、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトのソナタにおいて、「初期」の作品を弾きたい気持ちになります。

出発点となる初期から順に辿って、年代を追って彼らに起こった出来事、成熟の過程を想像しながら、弾いていくのも、なんだか楽しいものです。

モーツァルトの曲は、心が安らぎます

手にも負担がかからないですし

2年前に、手を痛めた時から、今ではすっかり治っていますが、手を労るようになりました。

長く弾き続けたいですから手に聞きながら、練習をします。

作曲の中に、「安らぎ」を見いだしたのは、フォーレがそうですね。

作曲をしているときが、本当の自分に戻る時間だったようです。

曲のなかにこそ、自身の真実があったのでしょう。

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「すもももももももものうち」

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タイトルにした早口言葉、実際口に出して言ってみると、本当に言いづらい…です

フルーツ王国の山梨、7月に入り、とうとう息も出来ないような、もわ〜っとした暑さがやって来ました

ここに比べると、郡山は、やはり東北。もう少し雲がかかっています。
この寒暖の差が、美味しい果物を作ってくれると思うと、暑さもなんのその(ほんとかな…!?)。

ハンブルク出身の大作曲家ブラームスのお母さんの作る、こけもものジャム入りドーナツは、絶品だったと、伝記で読んだことがあります

その素朴な味は、シューマンの奥方でピアニストのクララ・シューマンら、美食に飽和した音楽家達も、舌鼓を打ったとか。

そういうのを聞くと、作ってみたくなります

でもこのプラムは、生で、甘酸っぱさをかみしめたい!

またしても、フルーツ礼賛ブログでした

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フォーレのバルカローレと神谷美恵子さん

全13曲からなる、フォーレの舟歌(バルカローレ)は、36歳から76歳までの40年間に渡って作曲されています。

このところ、車の中で、よく通して聴いていました。

6番くらいまでは、みずみずしい煌めき、グノー=マスネティックなサロン風の名残りもみせつつ、フォーレにしか出せない香気があり、よく聴いたり、弾いてみたりしていました。

でも、晩年の12番とか13番の味わいも、とても胸に沁みます。

装飾性を一切排除した、その清澄さ、朗らかさは、
色や飾りのない世界へ、これから旅立つことを知っているからなのか、
枯淡の平明さ、あたたかみが滲み出ています。

”末期(まつご)の眼”で見ると、いつもの当たり前に在る風景が、どんなにか美しく映ることか、と想像します。

ふと、神谷美恵子さんの日記(角川文庫)を以前読んだ時のことを思い出しました。

本当にお若い頃から立派なことを考えておられて、あれこれ悩まれた考えの経緯を仔細綴られているものだなと読み進めていくと(25歳〜65歳)、晩年の数年は、日付けも間遠になり、内容も具体的なメモのように簡潔になったと記憶しています。

フォーレのその2曲は、どちらも長調ですが、惜別の明るい調べは、なんとも胸に響きます。

晩年の作品は、耳に心地よいだけでない、拮抗する表情もみられます。推し量ることの出来ない、人の「晩年」を想う時間でした。

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ツィメルマンのリサイタル

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昨夜は、サントリーホールに、クリスチャン・ツィメルマンを聴きに行って来ました。

シューベルトが亡くなる3ケ月前に作曲した、3つの偉大なソナタの内、2曲。
イ長調のD959と変ロ長調D960でした。

2曲とも超越的ながら、対照的とも言えるこの作品。

イ長調は、最後の生命の力を振り絞り、勇気を持って死に立ち向かうかのような力強さがあります。
2楽章では、一転、孤独なさすらい人の嘆きと叫びがあります。

変ロ長調のソナタは、深い情緒をたたえ、心を奪われる旋律の美しさは、一度耳にしたら忘れられぬ、最高傑作です。

この1楽章は、シューベルトが日記に残した、「愛を歌うと苦しみになり、苦しみを歌うと愛に変わる」ということば、そのもののように思います。

どちらも「天国的に長い」です。

ある評論家の説ですが、シューベルトの器楽曲がどこまでも長いのは、シューベルトにとっては、歌が・音楽が「終わらないこと」が大事なのであり、短命の運命に抗って、いつまでも続くことを願っていると読んだことがあります。

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ツィメルマンの、変ロ長調ソナタの演奏は、非常に、巧みに練れており、どこまでも自然に表現され、叙情的な歌い方は、まさに本領発揮といった感がありました。

殆どの聴衆は、この曲の演奏がお目当てだったはず!

玉虫色に微妙なあやを魅せ移り変わる転調は、どこまでも美しく、シューベルトの魂が乗り移ったかのようで、音楽にぴったり付いていくように、ハートを奪われ聴いていました。

ステージ横の、ピアノの音が立ち昇る席から、背中からの動きや、手の動きが良く観えました。

アンコールでは、シマノフスキの前奏曲を一曲。
良かった…この長大なソナタの後、即興曲や楽興の時などが来たら、せっかくの興が・・・

最後に、シューベルト自身の言葉を。
「音楽とは、みんな悲しいものだ。
楽しい音楽なんてあるだろうか。」

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大人の方向け曲のご紹介「ヒースの茂る荒れ地」

ドビュッシーの前奏曲集第2巻の「ヒースの茂る荒れ地」。
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スコットランド、泥炭の農耕に適さない土に広がる、ヒースの花。
ヘザー、または、日本ではエリカとも呼ばれます。

静けさの中に、ヒースの香りが匂わんばかり…、そよそよと風にざわめく音も聴こえてきそうです。肝心のヒースの香りを私は知らず、その香りがすると言われる、「ハイランドパーク12年」を嗅ぎます。
IMG_0064爽やかにほのかに甘い花の香りがします。

フランス人女性作曲家タイユフェールの「フランスの花々」に出てくる花達より、ハーブ臭はないものの、ハーブ系の香りも漂います。

ヘミングウェイの「移動祝祭日」の中で、パリの街が寒くなったから、しばらく山岳地帯の麓の山荘に夫婦で籠り、帰ってくるとすっかり街は冬に順応し、「良質な薪や石炭が売られ、石炭粉を卵型にこねたものを暖炉で燃やした」というくだりがあります。
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おそらく、ドビュッシーの晩年と時期が近い。
彼は、妻エンマの豪奢な暮らしぶりの為、生活費のために、「前奏曲集」をポピュラーな調子(親しまれるように)で編んだのだから、この曲集はよく売れたと言います。
薪を燃やしても煙突そのものが冷えていては、空気の通りも悪く、部屋中が煙に包まれたりする不便さを想像することも、また一興と言ったらその時代に悪いけれども、曲と仲良しになれるかもしれません。

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カフェの文化史

PICT03961[写真はアルル、ゴッホの「夜のカフェテラス」の舞台となったカフェ]

「サロン」が貴婦人によって催されたとするならば、ヨーロッパにおいて、殿方の憩いと社交、情報収集の格好の場は「カフェ」でした。
一杯のコーヒーだけで誰でも入ることの出来、何時間でもいることが出来るより民主的な公共施設です

1647年にヴェネチアで、ヨーロッパ最初のカフェが誕生して以来、オックスフォード、ロンドン、マルセイユ、ウイーン、フランクフルトと続き、独自のカフェ文化が発展していきました。

ウイーンでは、1683年(バッハの誕生年は1685年と近い!)に、トルコ兵によってコーヒーが持ち込まれました。
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にこだわり、量・濃さ・ミルクのまぜ具合によって細かく分類された豊富なメニュー、客としても従業員としても女性を閉め出す男性専科の伝統を持ち、
パリでは開かれたテラス席を設けたり、ブラッスリーなら年間を通じて牡蠣を置いていたりと特徴を持っています。
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モーツアルトや、ベートーヴェンもカフェにはよく通ったようですし、
シューベルトの生きたビーダーマイヤー時代には、食器だけでなく衣装掛けの金具に至るまですべて銀製品であつらえたカフェに、文人が集いました。
まさに、コーヒーよりも、集う客の面々が魅力ある商品といった具合でした
ウィーンのカフェでは、曲木細工の「トーネット」の椅子が定番として使用されていました。
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人々はその、人の眼と自由なきままさが上手く共存しているカフェという空間で、豊富に揃えられている各国の新聞を読んだり、チェスに耽ったり、ビリヤードをしたりしました。
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やはりサロンと同様、「文豪カフェ」「政治カフェ」「音楽家のお気に入りのカフェ」があり、現代のようなせわしなさの無い時代の気分を想像しているだけで、豊かな気持ちに満たされます

私もこれから、おうちカフェ(!?)でひと休み♪
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サロネーゼ、サロニエールの文化史

自宅(瀟洒で雰囲気のあるリビングなど)で、例えば紅茶教室などを開くマダムを、「サロネーゼ」と呼ぶと言います

サロンの歴史は古く、ヨーロッパで1600年代から始まり19世紀前半には、貴族社会のネットワークを結ぶ社交文化の拠点として、芸術家擁護のメセナ的役割も担っていたようです
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[サロンで演奏するショパン]
生活のための生産をする必要のない貴族の日常においてですから、あくまで「運営」ではなく「開催する」といった具合でした。

サロンといえば、女主人が切り盛りするのは現代の「サロネーゼ」も19世紀頃の「サロニエール」も共通しています。

その背景もまた、男性社会の秩序に阻まれて女性には許されなかった、知性・教養を発揮し生き生き出来る活躍の場を、自宅(貴族社会の場合は、邸宅)の延長上に発展させたという必然があったのかもしれません。
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[参考文献:福田公子著 「19世紀パリのサロン・コンサート」 北西社]
大変おもしろい本に出会ったので調べてみると、パリで当時、サロンを催した貴婦人の住居地区は、主にフォーブル・サン=ジェルマン、フォーブル=サントノーレ、ショセ=ダンタン(ギャラリー・ラファイエットの辺り)など。

フランツ・リストが活躍した、マリー・ダグー伯爵夫人のサロンも、ボーヌ通りの「セーヌ河が見渡せる、気持ちの良い場所」にあったと言います。

貴族の邸宅の使用人の数は40〜50人、古い時代には100〜200人も必要だったそうであるから、そのもてなしの規模や質も大変なものだったと予想されます。

サロンの内容は、文学・演劇サロンから、政治サロン、そして音楽サロンへと時代によって移っていきます。

ショパンの時代の、社交界の構成員は2,000〜3,000人と言われ、文化的教養を持つ彼らは、芸術家を見極める眼を持っており、音楽家と相互に良好な関係を築いていたようです。

…と、興味は尽きません

もう一冊、参考にしました。
ヴェロニカ・ベーチ著 早崎えりな/西谷頼子訳 「音楽サロン 秘められた女性文化史」音楽之友社

こちらの本では「夫がいないサロンは存在しない」という、鋭い見出しを発見し、なるほどサロン文化の秘められた背景をもみたような気がしました。

ブログでは、これらの本から得たことの一部しかご紹介出来ないですが
開かれたというよりは、ヨーロッパ貴族社会の排他的で洗練されたサロン文化を想像の中でタイムトリップしてみることは、ショパンやリスト、フォーレなどの作品、演奏、テンポ感をイメージするのに、ものすごく助けとなるように思います

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,音楽史 — 2:52 PM  Comments (0)

ドビュッシーとエンマ

1904年の6月9日。
火曜ではなくて、雨の降る木曜日。
ドビュッシーが、のちに妻となるエンマ・バルダック夫人に、速達を出して家に誘った日です(『ドビュッシー書簡集』より)

翌月には、ジャージー島に駆け落ちし、シテール島(キティラ島)になぞらえた「喜びの島」は、そのころ書かれています。
ドビュッシーの人生で、また一つの艶やかな盛り上がりをみせた時期だったことが伺われます
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6月といえば、ドビュッシーが前年の1903年に作曲した「版画」を、私は、昨年のちょうど今頃勉強していました。「雨の庭」を、弾きながら、先生とのレッスンを思い出しています。

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そわそわ♪

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甲府盆地を見下ろす、高台にあるCafeで、先日、また1つ歳をとったお祝いをして貰いました
Crepuscule、フランス語で「黄昏」を意味する名前を持つお店です。
夜景のまばゆい、現実から離れた空間で、料理もとても美味しく頂きました。ここ、有〜名な漫画家の方の旦那様がオーナーだそうです。

この日は、昼間は学校もあり、レポート提出が前から決まっていた日なので、しかと用意して授業に出たのですが、誕生日だと思うと朝からそわそわ、気分が高揚していました♪幾つになってもそうなのですから、困ったものです。
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西洋音楽史のレポートのテーマは、「音楽とナショナリズム」と「器楽は、声楽とどの様な点で異なっているか」でした。
前者は、わりと得意分野のテーマなので、すらすらす〜ら(笑)と、随分前から書き上げていたのですが、声楽と器楽の違いは、書けそうでいて、規定の文字数を埋めるのに苦労しました

でも、書いて良かった!関与度合いが高くなると、自然に授業も身に入ります。

特に、先生が持参される、オペラや器楽のDVDが、毎回、厳選されたものばかりで、感動的です。

はじめは、昔一度受けた科目をまた…と思っていたのですが、好きな科目はやはり何歳になっても好きなんだなと思いました。
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所で、幼稚園の頃、お誕生日会の手形付きメッセージカードに、幼稚園の先生から「あつこちゃん、こんなに寒い時に生まれたのね。」と書かれましたが、11月も半ばになると本当に寒いですね。
皆様どうぞ、お風邪にお気をつけてお過ごし下さい。

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