コルトー版の特徴

左から、ヘンレ版、コルトー版のライセンス版、パデレフスキーのライセンス版

今、ショパンのバラードを弾いている生徒さんは、パデレフスキー版とコルトー版を持っています。

コルトー版の良さは、第一に、詩的でインスピレーション豊かな、ピアニストのコルトー(1877〜1962)の考えを文章でたっぷり知ることができるから。

第二に、複雑な弾きづらい指使いなのに、慣れると弾きやすく音楽的になるから、などが挙げられます。

今でこそ日本語で読むことができますが、私がバラード集を買ったころは、まだフランスのサラベール社の輸入版で、上の画像のように、フランス語でびっしり、なにやら書かれてありました💦

それでも、まるで、アルベール=カミュの「異邦人」を原書で一行目だけ暗記したように(笑)、一行目のフランス語を声に出してかみしめ、ひたった大学時代を思い出します。

先日、ショパンの雨だれを弾きたい言っていた生徒さんにも、「プレリュード集」に入っているので、コルトー版はおすすめです😊

ショパンと、ジョルジュ・サンド(ヘンレ版より)

各曲についての文章では、この雨だれの「雨音説が、逸話に過ぎないこと」や、「大きなため息」「言葉に言い尽くせないやるせなさ」など、数々の詩的表現が展開されています。

多少難解な長文ですが、なんとなく読んでいるだけでも、雰囲気がつかめます。

コルトーの文章に限りません。小さい生徒さん向けの曲を調べる時でも、多少、意味不明なことが書かれていても、お母様だけでも読まれると、「こういうことがあるんだな♪💡」と広がり、参考になると思います😊