愛着は身近なところから〜指づかい

「JASRA○が、大手楽器店などの音楽教室から著作権料を徴収する方針を定めた」件に、深く言及するつもりはないですが、音楽をはじめる子ども時代に、アニメソングやJ-POPに愛着を持つのは、自然な流れという気もします。

学校などは、著作権の心配がないですから、そうしたものも演奏させますし、合唱のNコン課題曲でさえAKBまで登場、ますます一般的な「音楽」の概念が、耳馴染みのあるポピュラーに移行するのを助長させる要因ともなっているのではないでしょうか。

学校の音楽科目の学習指導要領には「音楽を愛する心を育てる」もあり、馴染みのあるメロディーという観点では目的から外れてもいないのでしょう。

私自身、習い始めた幼稚園のころ、「ドレドレド」や類似の音型が続くバイエルや、併用曲集をつまらなく感じ、家では「キャンディー・キャンディー」をレッスンに関係なく弾いていました

「ウルトラマン」に目が輝く男の子たちだって、曲想からにじみ出ている「正義の味方!」「勇気」の熱く燃える炎(!)を感じることが、例えばのちにショパンの「革命」を理解するときの手がかりになるかもしれない

音楽が好きになったり、ピアノに向かう「きっかけ」になるならば、それはそれで悪くはないと思います。

ただ、はじめから子どもさんの手に合うように作ったピアノ曲でないものを弾く際に気をつけなくてはならないのは、運指の問題です

弾きたい一心で、指づかいを適当に弾くと、「指くぐし」や、指の伸縮が適切にされず、フレーズが切れ切れになってしまいます

癖になってしまうと、今度は何の曲を弾いても、長いフレーズがきれいにつながりません。

鼓笛等で、鍵盤ハーモニカで、運指がめちゃくちゃで切れ切れに弾かれるフレーズを耳にしたことがありますが、ピアノ学習者ならば、そこはうまく弾いてほしいところです

さすがに、幼児や子どものためのピアノの曲は、手の大きさを考慮してあるため、指づかいも無理はなく、しょっちゅう指をくぐす必要もなく弾きやすく作られています。

指づかいは、良い演奏の基礎的なです。
具体的には、楽譜のなかで次の音がどのよう動いているかを見越せないと、何番の指にするか決定できませんが、それを自分で決めれるようになってくると、学習期のひとつの自立といえるでしょう